こんにちは、食玩開発担当のJIN(ジン)と申します。
まずは皆様の貴重な24分間を頂戴し、こちらをご覧ください。
※9月中旬までの期間限定公開です。
いかがでしたでしょうか?
JAM Projectの圧倒的な神OPテーマから始まり
たった22分の出来事とは思えない 激動の人間ドラマ
もはやTOKYOオリ○ピックを超えた 白熱のバトル
締めに流れるJAM Projectの神EDテーマ
脳裏に焼き付く 強烈な次回予告「あんぱんファイターを探せ!」
この令和の時代にあってもなかなか味わえない、極上のエンタメ体験をしていただけたのではないでしょうか。
こちら『激闘!クラッシュギアTURBO(ターボ)』。まぎれもない超名作アニメです。
2001年10月から2003年1月にかけて、日曜朝7:00~7:30の枠(いわゆるニチアサ)で放送されたTVアニメ作品です。なんと今年が20周年記念イヤー。
この記念すべきタイミングにあわせ、劇中に登場する『クラッシュギア』6台が、完全新規造形での立体化を果たします。
SMP[SHOKUGAN MODELING PROJECT]という食玩プラキットのブランドでの登場です。
現在、以下の2アイテムを予約受付中。
2アイテムとも、2021年12月に一般店舗で発売予定です。
プレミアムバンダイほかネットショップでは先行して予約を開始しています。
確実に手に入れていただくためには、店頭も含めて事前予約をオススメします!
この機会に、ぜひ予約して入手してもらえると担当としてはうれしい限りです。今後の商品展開に繋がるところもありますので…
さて、細かい事情はさておき
『クラッシュギア』については、今後、何本か記事を書くつもりでして、一回目となる本記事では、『基本仕様の説明』と『開発の経緯』についてお伝えします。
まだお見せできるレベルの成形品が揃っていないので、6台の詳しい説明はまたいずれ…。
(1)基本仕様の説明
<注>以下、紹介する画像は、すべて開発中のテストショットです。
シール・塗装・成形色など、最終版と異なりますので、参考程度にご覧いただきますようお願いいたします。
【造形】
さっそくですが、今回のキット化で一番力を入れたのが、造形(=プロポーション)です。
当時の玩具(以後、"玩具版"と呼びます)とSMP版を並べてみた画像がこちら。
モーター付きの玩具においては、さまざまな安全面の配慮がなされるので、実はTVアニメ内CGのガルダイーグルとは見た目がかなり異なり、コロリとした形状をしています(それがまた魅力的でもありますが)。
一方、SMP版は、モーター動力なしとすることで安全性の制約を取り払い、アニメCGを限りなく再現したシャープな造形を追求しています。
20年経った今でも色あせないギアのデザインを、未来永劫ご自宅に飾って愛でることが可能です。
(動いてバトルできるクラッシュギアを楽しみにしてくださっていた皆様、ご期待に沿えず申し訳ありません)
【内部構造:電池BOX&シャーシ】
シャープな造形のために行った工夫の一つに、「電池BOXサイズの縮小」があります。
下の画像をご覧ください。当時の玩具は、「単3電池」にあわせた幅広の電池BOXがついていました。が、それだと上にかぶせるボディはさらに幅広になってしまいます。
そこで、SMP版では「単4電池」にあわせたサイズに幅を調整しました。
結果、「電池BOX+ボディの横幅」と「シャーシの横幅」がイコールになり、アニメCGに大きく近づけることができました。
ちなみに、今回のキットは、安全面への配慮から「モーター動力なし」。
ですが、電池BOXには単4電池を実際にセットでき、機体の重みを再現することができます。
さらには、非電源キットなら本来不要なスイッチパーツも再現していますし、(↓)
シャーシ内部には、玩具版同様の歯車や金属製のシャフトが使われておりまして(↓)
雰囲気を出すために一般的なモーターと同サイズのダミーパーツが内蔵されておりますので(↓)
結果的に本物のモーターをセットしてみることもできなくはないのです(↓)
が。そんなこだわりもありつつ、あくまでも『観賞用のディスプレイモデル』であることを忘れてはいけません…。
改造すると危ないですので、絶対にやらないようにしなくてはと思います。
私ももちろんやりません。
【台座用の穴】
シャーシ底面には、3mmの穴をあけてあります。
市販の台座(別売)などを使用すれば、ダイナミックなディスプレイを楽しめます。
【パーツ換装】
ホイール、ウェポンには互換性があり、機体を横断してカスタマイズが楽しめます。
【機体のカラーリング再現】
購入にあたって誤解があってはよくないので、あらかじめお伝えしますが、今回の『SMP クラッシュギア』は、他のスーパーミニプラやSMPシリーズと比べて、シールがかなり多めです。
↓以下のガルダイーグル&鎧輝のテストショットのように、プラスチックの成形色をできるだけ活用しつつ、特徴的な模様などはシールで再現します。
シールが多くなる理由としては、やはり製造コストです。
このサイズのキット全6種を完全新規造形するとなると、初期投資だけでも膨大な金額となってしまったので、一台あたりの値段を比較的お求めやすい2,200円(税別)に抑えるため、シールを活用した仕様になっています。
今後、近いうちに、最終版に近いテストショットとともに、機体6種それぞれの紹介記事も書きます。どこがシールなのかは、その際にご確認いただければ幸いです。
とは言いつつ…
機体にシールを貼っていく作業もまた、当時熱中した『クラッシュギア』の思い出の一部といえるようにも思うので、見栄えや色味にこだわり、カッコいいシールを仕上げていきます!
(2)開発の経緯
※ここからは担当個人の思い出話も入ってくるので、興味のない方は読まなくて大丈夫です!
この『クラッシュギア』という作品は、よく考えるとかなり不思議な作品です。
というのも、当時、玩具が「発売5カ月で200万台出荷!」というレベルで爆売して、アニメが5クールも続くという人気ぶりだったのですが、放送終了以降、とくにこれといった展開はなく…。ひっそりと20年が経過しようとしていたのです。
玩具はもちろん、アニメの配信も無かったので、長らく忘れていた方も多いかと。
自分もそんなひとりでした。
それが奇しくも昨年、スーパーミニプラ「GEAR戦士 電童」を担当した同僚らと昼飯を食べていた時に、突如話題に上がりました。
「GEARといえば、クラッシュギアっていうのもあったよね!」
「懐かしい!! あのデカい剣がフィールドにぶっ刺さる奴!!」
「OP超かっこいいんだよね! クラッシャラーイ!クラッシュヒッピー!!」
盛り上がる会話とともに、脳に甦るクラッシュギアの記憶。
「自分はなんでこんなに素晴らしい作品の事を忘れていたんだろう…」
その日から、当時の玩具や書籍を収集し始めました。
ただ、いかんせん20年前の玩具なので、相場が高い!
ボロボロのパーツ欠品ガルダイーグル(どこぞのオカンが「子供が昔遊んでいたものですが、不要になったので整理します」と出品していた)で6000円とか、比較的人気薄そうな機体ですら4000円とか、とにかく出費が痛い。
新品未開封のガルダイーグルなんて18,000円もする。
手が出せない・・・。けどほしい・・・。
ここまで値段が上がっているとなると、同じような気持ちのギアファイターが、日本全国にたくさんいるに違いない…。
そして「もう一度、ゼロからクラッシュギアを作ろう」という決意を固めました。
それからの約1年間の苦労はバンダイ側の勝手な諸事情なので割愛しますが、20年眠っていた作品の玩具を、全長約15~20cmのリアルサイズで、しかも複数機体を、完全新規造形で作ろうというのはすごく厳しい戦いでした。
主にお金が。
たとえばですが、キットを製造する費用とは別の「初期投資」だけで
・CG画像を元に、四面から見た図面を、6台分描き起こす…数百万円
・四面図をもとに、3DCGデータを設計する…数百万円
・3DCGデータを細かく分割し、6台分の金型を作る…数百万円
…と、頭を抱えたくなるような「数百万円地獄」をどうにかしないといけませんでした。
(ちなみに、アニメ内では万願寺グループが「鎧輝」を開発するのに800億円を投資したとされていました…。万願寺さんすごい)
最終的な価格は、3台セットで6,600円(税抜)。1台あたり2,200円(税抜)と、当時モーターで動く玩具が1,000円だったことを考えると割高に感じられてしまうかもしれません。
が、当時の玩具とくらべて「出荷数:数百分の一」のキットにしては、膨大な初期投資を乗り越え、限界まで切り詰めた価格になっています。何卒ご容赦を……。
次回予告
この先も『SMP クラッシュギア』の魅力をお伝えするブログを書いていきつつ、1弾の実績を踏まえて第2弾も進めていきます。
この先、おそらく待ってくれている方が大勢いるであろう『ガルダフェニックス』をはじめ、更なる機体の立体化をうまく進めるべく、以下のサポートをお願いできると嬉しいです!
(1)冒頭のアニメ「第1話」配信の視聴
再生回数が伸びることで、第2話以降の配信が実現する可能性が高まるので、ぜひふるってご視聴ください!
(2)SMPクラッシュギア情報のSNSでの拡散
十数年ぶりの『クラッシュギア』商品展開ですので、まだご存じないギアファイターも大勢いらっしゃると思います。ぜひ「バンダイ キャンディ公式twitter」の投稿の拡散をお願いします!
おわりに…
SMPクラッシュギアの記事の締めは、毎回これ(↓)でいきます。
『夢はでっかく世界チャンピオンだ!』
(C)サンライズ