こんにちは。宇宙戦隊キュウレンジャーの食玩開発担当・N岸です。
来る12/12(火)は、食玩では数年ぶりとなる戦隊ヒーローのアクションフィギュア「宇宙戦隊キュウレンジャー 勇動」の発売日です! 全3種のラインナップ画像は、以前の記事でご紹介していますので、以下もあわせて読んで頂けるとうれしいです。
宇宙戦隊キュウレンジャーのアクションフィギュアが登場! - バンダイ キャンディ スタッフ BLOG
今回は、発売直前ということで、「ここを見ながら遊んでほしい!」と思っている細かいこだわりを交えながら、全3種を再びご紹介してまいります! (ちなみに、前回の写真は撮影用に作った彩色サンプルでしたが、今回は正真正銘の量産品で撮影しております!)
【パッケージ】
3種とも印象ががらっと変わるようなカラーリングでデザインしてもらいました。背景には、各ヒーローをイメージしたフレーズを入れています。ちなみに、価格はすべてメーカー希望小売価格380円(税抜)です。パッケージの通り、1箱で1体のフィギュアが完成いたします!
開封した状態がこちら。1箱で1体のフィギュアがしっかり完成します。高さはいずれも約11㎝。
つづいて、全3種をそれぞれ単体で、紹介していきます。
【シシレッド】
まずは主人公のシシレッド! キューソードがとにかく迫力満点で、構えるだけで絵になります!
キューソードの形状は、安全性や9モードへの変形を考慮した「なりきりキット」とは大きく異なり、まさに劇中のアイテムの鋭さを再現して作りました。
フィギュア本体の話をしますと、今回の勇動で最もこだわったポイントは、ずばり「肩の可動」!!
まずは、以下の写真を見ていただきたいのですが、戦隊ヒーローのスーツには体のラインにぴったり沿った装飾が多いです。シシレッドでもまさに当てはまり、肩にラインのような装飾がついています。劇中のプロポーションを再現しようとすると、この肩パーツが腕に干渉してしまい、結果腕が上がらない、前に出せない、という問題が発生してきます…。
体にフィットしたデザインだけに、仮面ライダーシリーズのようにアーマー(鎧)っぽくパーツ分割してしまうことは難しいです。
なんとか腕を上下左右によく動かそうと思うと、この肩パーツを小さくしたり、肩幅を狭めたりしなくてはなりません。が、そんなことをすれば、それこそ「勇動」という名にふさわしくない、弱そうなフィギュアになってしまっていたと思います。
可動か、プロポーションか。
アクションフィギュアの開発担当がかならず突き当たる壁を前に、どっちを選ぶべきか…と設計担当のメガハウスさんと大いに悩みました。
その結果、両方を兼ね備えたフィギュアとなるよう、取った結論がこれです。
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わかるでしょうか…? じつは、俗にいう「引き出し式」の関節になっているのです! 肩の関節パーツは、約2mmほど横にグッと引き出すことができます。前の画像の干渉してしまっている状態と見比べていただきたいのですが、肩パーツよりも、関節が外側に移動しています。その結果、可動域が大幅に向上しました!!
結果的に、前方向の可動にも幅が出るので、下のような「キューソード両手持ち」風のポーズさえも自然にとれてしまいます! 引き出し関節がないと、このポーズは取れないので、ぜひ実際のフィギュアを手に取って、「こういうことか!」と試してみていただきたいです。
正直にいいますと、引き出し関節自体はフィギュアとしては珍しくない構造なのですが、300円台の食玩では、このギミックの採用はなかなか難易度が高いのでは…と思っています。
実際に、小さな引き出し関節パーツに強度をもたせ、かつ適度な渋みをきかせて量産するのは非常に難しかったようで、工場にも苦労をかけてしまいました…。
ですが、「体にフィットしたデザインのスーツで、いかに可動させるか」という戦隊ヒーローのフィギュアについてまわる課題には、1つの正解を出せた感じがします。今後も戦隊アイテムを担当するにあたり、非常に貴重な経験となりました!
参考までに、ヒーローの組み立て済みアクションフィギュアとしては勇動のひとつ前の商品にあたる、キョウリュウジャーの「ブレイブアクション」と並べてみました。この数年で食玩のプロポーションに対する考え方が大きく変わってきたことがよくわかる比較写真になっているかと思います。
なお、正確な可動箇所は以下の通りです。腰は動かないのですが、手首は動かすことができます。(さらに、シシレッドオリオンでは背中のマントが可動箇所に加わります。)
つづいて、伝説の男!
ホウオウソルジャー
ホウオウシールド、ホウオウブレード付きと、3種の中でもボリューム感は一番あります。
塗装も3種の中で一番多く、顔側面のインカムと、武器の一部をシルバーで塗っています。1箱に1体というコンセプトゆえに重量がかさみ、塗装へのコストをかけられなかった本商品ですが、シールを貼るのが極端に難しいインカムと、成形色の紺色だと味気ない武器だけは、なんとか塗らせていただきました。
もちろん、肩は引き出し関節です!
この関節による広い可動域のおかげで、ホウオウブレードを納めた、抜刀前のポーズも再現可能!
ちなみに、じつはこのホウオウソルジャーとシシレッド、同じ武器持ち用の手首のように見えるかもしれませんが、じつは形状が微妙に違います。
シシレッドは、長いキューソードを振り下ろした時にビシッと決まるように、手首にやや角度がついています。
ホウオウソルジャーは、ブレード&シールドを正面に向けて構えるポーズがビシッと決まるように、角度ナシの手首です。
食玩らしく「付け替え」をすれば、色はあわないものの、単品状態とは異なる表情をつけて武器を持たせることも可能です! たとえばですが、ホウオウソルジャーの手首を使って、シシレッドがキューソードを肩に担ぐように持てたりします!
※台座はセット内容には含まれておりません。
さて、最後になりました!
シシレッドオリオン
シシレッドオリオンの特徴は、とにかくかっこよく開かれた「平手」! これにつきます。これが握りこぶしだったら、こんなサイコーキュータマを回転させるポーズもとれないですし…
膝をつきながらも仲間を守るポーズも取れませんでしたし…
腰に手を当てて仁王立ちするポーズも取れませんでしたし…
シシレッドに付属のキューソードの刃に手を添えて構えるポーズも取れませんでした!!!
※シシレッドオリオンにシシレッドの手首とキューソードをつけた例です。
この平手のアイデアは、設計を担当してくれたSさんから出していただいたものです。ロボットが好きなSさんは、企画初期に他のロボ商品の平手パーツを持参までして提案してくれました。それを見た瞬間に「これで行きましょう!」と決まりました(笑)。この平手がなければ、シシレッドオリオンをここまでシシレッドオリオンらしくはできなかったと思います。
また、2枚のマントは、写真のように左右方向に動くので、風になびいている感じをうまく出すことができます!
勇動の紹介は以上となります。書いていて、思った以上に長くなってしまったので、それだけいろいろ考えながら作ってきたんだな…と感慨深いものがありました。仮面ライダーの「装動」「創動」が進化してきたように、「勇動」もここから進化させていけるよう頑張っていきます!ぜひ応援いただけますとうれしいです!
遊んでくださった方は、以下のURLのアンケートフォームより、ご意見・ご感想をぜひご投稿ください。商品の参考にし、さらなる良い食玩づくりに活かさせて頂きます!
バンダイ キャンディ メンバーズ(※メンバー登録なしでもご回答いただけます)
最後に、「創動」の仮面ライダービルドとともに、日曜朝のスーパーヒーロータイムらしい1枚を!
引き続き食玩をよろしくお願いいたします!!!
担当:N岸
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